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Mavic 2 のカメラ性能を比較

2018/9/17 (月)

はじめに

先日 SEKIDO で「MAVIC 2 PRO/ ZOOM 新製品説明会」に参加して実機を見てきました。

セキド虎ノ門セミナールーム

Mavic 2 飛行展示

現在使用している Mavic Pro でも十分使用楽しめるのですが、強いて言えば後発の廉価版である Mavic Air よりも焦点距離が長いので、廉価版の方がより広角に撮れるのが不満でした。今回リリースされた Mavic 2 では一長一短の 2機種が登場したのですが、

Mavic 2 を購入する際、画質(Pro)と画角の広さ(Zoom)のどちらを優先するべきか

を判断する材料としてご覧ください。

Mavic カメラ諸元

Mavic のカメラ関連スペックは以下のとおりです。

項目 Mavic  2 Pro Mavic 2 Zoom Mavic Pro Mavic Air
センサー サイズ 1インチ 1/2.3インチ 1/2.3インチ 1/2.3インチ
画素数 2000万画素 1200万画素 1235万画素 1200万画素
レンズ(35mm 換算) 28mm 24mm~48mm 26mm 24mm
視野角 (FOV) 77度 83度~48度 78.8度 85度
絞り (f/x) 2.8〜11 2.8~3.8 2.2 2.8
ISO感度(動画) 100〜6400 100〜3200 100〜3200 100〜3200
(オート、マニュアル)
ISO感度(静止画) 100〜3200
(オート)
100〜12800
(マニュアル)
100〜1600
(オート)
100〜3200
(マニュアル)
100〜1600 100〜1600
(オート)
100〜3200
(マニュアル)
静止画サイズ 5472x3684 4000x3000 4000x3000 4:3 4056x3040
動画解像度 4K 3840x2160 4K 3840x2160 DCI 4K 4096x2160 4K Ultra HD 3840x2160
最大ビデオビットレート 100Mbps 100Mbps 60Mbps 100Mbps

Mavic 2 Pro のは1インチ センサーのカメラを搭載で高画質なのが特徴で、Mavic 2 Zoom はズーム レンズ搭載で 35mmフィルム換算で 24mm の広角から 48mm の標準レンズ相当に光学ズームできるのが特徴です。スペック上は画質を採るなら Pro で、画角を採るなら Zoom と非常に悩ましいところです。

広角レンズの方がより雄大な景色が撮れます。元々山での撮影を考えて Mavic Pro を購入したので、レンズはより広角の方がありがたいです。そうなると Zoom にするべきですが、1インチ センサーと 1/2.3インチ センサーの違いでどの程度画質の違いが出るのかも気になります。

今回参加した説明会では、本体に関してだとこれまでネットに掲載されている情報以上のことはなかったのですが、展示ルームで実機を触ることができたので、自分のスマホに繋いで実際に撮影してみました。Mavic 2 Pro / Mavic 2 Zoom / Mavic Pro の 3機種で比較しました。

カメラの比較

カメラで実際に撮影した画像で比較してみました。

コントローラーのキャプチャーによる比較

まずはコントローラーで見たカメラ アングルです。この写真だと違いが分かりにくいですが、Zoom の方がやや画角が広いです。

Mavic 2 Pro (28mm)

Mavic 2 Zoom (24mm)

Mavic 2 Zoom (48mm)

Mavic 2 Zoom (96mm)

Mavic Pro (26mm)

画角の比較

Mavic の写真撮影機能で撮影した JPEG による画角の違いです。保存されたデータで比較すると、視野角の違いがよく分かります。Mavic 2 Pro と Mavic 2 Zoom だと顕著に視野角が違っているのが分かりますが、Mavic Pro と比較すると 2mm の差はこんなものかといった印象です。
※ Mavic Pro は撮影サイズの設定が異なっていて、Mavic 2 Zoom ではデジタル ズーム(96mm)で撮影するのを忘れてしまいました。

Mavic 2 Pro (28mm)

Mavic 2 Zoom (24mm)

Mavic 2 Zoom (48mm)

Mavic  Zoom (26mm)

画質の比較

それぞれの画像を 640x480 の pixel by pixel にトリミングしました。被写体がモノトーンなところが残念ですが、Mavic 2 Pro の方がコントラストがきれいに出ているように見えます。また、Mavic Pro と比べると Zoom も少しきれいに見えました。ただ、Mavic 2 Pro と Mavic 2 Zoom とを比較して、顕著な違いという印象はありませんでした。比較すると違いは分かりますが、単体で見た場合や、映像にした場合で Mavic 2 Zoom の映像が汚い、という印象はありませんでした。センサー サイズが大きい分夜間撮影するなら違いが顕著に出てくるのでしょうが、国交省の飛行許可申請は取っていないのでまだこの差を活かす撮影はできません。

Mavic 2 Pro (28mm)

Mavic 2 Zoom (24mm)

Mavic 2 Zoom (48mm)

Mavic Pro (26mm)

本体サイズ

ついでにサイズも確認しました。Mavic 2 単体で見ると Mavic Pro と違いがないように思っていましたが、実際に比較すると一回り大きいです。特にプロペラを収納した際の違いは大きいです。

Fly More Kit で付属するバッグも、一回り大きくなっていました。

Mavic との比較(折りたたみ時)

Mavic との比較(展開時)

飛行展示

Mavic 2 Zoom の飛行展示を撮影しました。光学ズーム+デジタルズームの様子とカメラが横にも首を振れるようになった新機能が確認できます。

まとめ

動画も撮影していろいろ試してみたかったのですが、あまり長居はできないと思って最低限確認したかったことだけ試してみました。

Mavic 2 Pro と Zoom を比較すると、個人的には Zoom で十分だと思いました。

自宅のテレビは FullHD だし、4K のエンコードができるスペックの PC は持っていないので、撮影自体も FullHD 主体で夜間撮影もしないだろうと考えた場合の結論です。正直に言うとハッセルブラッドなんてブランドは Mavic 2 が登場するまで知らなかったし、みんな黙ってるけど Mavic 2 でハッセルブラッドを知った人は私だけではないはずです(笑)。さらに焦点距離 24mm と 28mm の違いは大きいです。よりダイナミックな景色を撮影するなら 24mm の Mavic 2 Zoom だと思いました。

今回参加した説明会でも、当初は Pro と Zoom とで 8:2 の販売予測をしていたが、実際は 6:4 もしくは 55:45 くらいの比率で僅差の売れ行きと話されていました。

また、今後カメラが有償交換できるようになる予定とのことなので、どちらを買うか結論がつけられない人でも後日本体を買いなおすよりは割安でカメラ交換できます。ただし、一度メーカーに返品しての作業になるとのことなので、差額+手数料が発生するかもしれません。

Mavic 2 Pro と Zoom との比較では Zoom で良いということになりましたが、Mavic Pro と Mavic 2 Zoom との比較では、画角の差に限っていうと買い換えるほどではないかと思いました。

センサー類や容易な撮影機能など顕著に向上しているところはありますが、そこは操縦スキルでなんとかすると考えれば、買い換えはペンディングかというのが個人的な結論です。

おまけ情報

説明会では Mavic 2 に関してネットで調べた以上の新しい情報は無かったのですが、DJI GS PRO の Windows 版が10月に出るかもしれないという情報が入手できました。ドローンでオルソ画像を作成するには、自動飛行による撮影がほぼ必須なのですが、オフィシャルの自動飛行アプリである DJI GS PRO は、現状 iPad 用しかありません。Android 用も今後リリース予定と Webサイトには書いてますが、早1年9ヶ月が経っています。Android 用にサードパーティーの Litchi というソフトがあるのですが、これを使って一度ドローンを墜落させた経験があるのでトラウマです。いっそのこと iPad を購入しようかとも考えましたが、自動飛行なんて年に数回しか行わないのに iPad を購入するのがもったいないと躊躇していました。公式アプリの Windows 版が出てくれるならありがたいです。ちなみに、Android 版は今後出るのか出ないのかすら分からないとのことでした。

もう一つ、「DJI のサイトを中国版で見ると、日本で発表されてない何かが見えます。」とも言ってました。ここでサイトの言語ロケールを変更してみたのですが、私は何かを見つけることはできませんでした。Phantom 5 も出るのだろうか。

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  • この記事を書いた人

羽田 康祐

伊達と酔狂のGISエンジニア。GIS上級技術者、Esri認定インストラクター、CompTIA CTT+ Classroom Trainer、潜水士、PADIダイブマスター、四アマ。WordPress は 2.1 からのユーザーで歴だけは長い。 代表著書『地図リテラシー入門―地図の正しい読み方・描き方がわかる』 GIS を使った自己紹介はこちら。ESRIジャパン(株)所属、元青山学院大学非常勤講師を兼務。日本地図学会第31期常任委員。発言は個人の見解です。

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