基礎知識– category –
-
Google Maps(地球表示)/ Google Earthの地図投影法
Google Mapsの地球表示は外射図法 Google Mapsはメルカトル図法(厳密にはWebメルカトル)で描かれていますが、2018年から小縮尺地図が丸い地球で表示できるモードが追加されました。Google Earthは公開当初からデジタル地球儀として真下や斜めなどさまざまな角度から地球を俯瞰できていましたが、Google Mapsも真下に限り地球儀のように俯瞰... -
デザイナーが作った世界地図の誤りは些細な問題なのか
ミラー図法とメルカトル図法はよく間違われる 最近、マンデラ効果という言葉を知り、地図にまつわるマンデラ効果として、ミラー図法をメルカトル図法と勘違いしている人が多いことをツイートしました。 https://twitter.com/kohsuke_hada/status/1609586288424030208 学校の授業で「ミラー図法」を「メルカトル図法」と比較した特性を教えて... -
Webメルカトルは正角図法ではなかった
GIS 界隈にいると、たまに耳にする「地理学は(儲からないから)役に立たない」という辛辣なお言葉。このように言われた時に言い返せるパワーワードが、「だからWebメルカトルなんてものがつくられたんだ」です。今では当たり前に使われている Webメルカトルですが、理解を深めるほどなんでこんなものを作ったのだろうと感じてきます。2005年... -
地図投影法の解説でよくみる顔
はじめに 地理の資料集や地図学の図説などで一度は見たことがあるであろう、この顔。 初出は何なのかあの顔に名前はあるのか ずっと気になっていました。はじめて意識したのは高校生のときで、資料集に載っていました。 『'99地理資料B』とうほう p.29 『新詳地理資料COMPLETE最新版』帝国書院 p.114 やや専門家向けの図説にも掲載されていま... -
横メルカトル図法の詳しい解説
はじめに 2021年9月末から Twitter に #一日一図法と称して毎日1つの図法を掲載しはじめました。Twitter に書ける短文の範囲で解説していますが、横メルカトル図法は要点がいろいろあるのでこの記事で補足します。 横メルカトル図法とは メルカトル図法は正角図法で、高緯度ほど面積の拡大率が顕著になります。しかし、赤道上は正確で、一定... -
地図リテラシー入門-地図の正しい読み方・描き方がわかる
2023年度 日本地理学会賞(著作発信部門)受賞! 2021年8月25日、ベレ出版より上梓しました。初の一般書・単著です。 ベレ出版 書籍紹介ページ Amazon 書籍横断検索システム 「はじめに」より(抜粋) 私たちは、身近なところでさまざまな地図を読んだり描いたりしています。たとえば、ニュースや統計資料に見られる「人口増加率」や「感染者... -
続・正角図法を正確に理解する
はじめに 以前、「角度が正しい」地図投影法である正角図法について解説しました。 https://www.wingfield.gr.jp/archives/10049 ここでは「地球上に描いた円が、地図上でも円の形として維持できる」が正角図法と解説しました。ミラー図法や正距円筒図法は正角とはいえず、メルカトル図法は正角なので航程線(等角航路)<※等角航路が括弧書... -
地球を回転楕円体として扱うと大圏航路が最短経路になるとは限らない
はじめに 地球上の 2点間を結ぶ最短経路のことを「大圏航路」いい、高校地理ではじめて習います。各社の教科書では次のように説明されています。 大圏航路 地球上の最短コース。大円航路ともいう。 帝国書院 (2016)『新詳地理B』p.13 大圏航路とは、地球面上の最短距離となる航路で、地球を大円(地球の中心を通る面で切ったときにできる円)... -
日本の天気図に使われている地図投影法
はじめに 天気図とは、気象現象を把握するために、天気や気温、等圧線などを描いた地図で、主題図の 1つに分類されます。等圧線とは同じ気圧の場所を線で結んだものですが、気圧は標高が高くなるほど下がるので、普段見る天気図に描かれた等圧線は、標高 0mと仮定した気圧が描かれています。 気象庁 天気図 日本気象協会 実況天気図 天気図を... -
ナショナルジオグラフィック誌に使われている地図投影法
アイキャッチ画像はナショナルジオグラフィック創刊号(1888年)の表紙。 はじめに Wikipedia で地図投影法の解説を読んでいると、いくつかナショナルイオグラフィック誌に関連する記述がでてきます。 ファン デル グリンテン [Van der Grinten] 図法(第1図法)(1904年に発表)ヴィンケル図法(第3図法)[Winkel tripel](1921年に発表)ロ...