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富士山バックカントリースキー

2016/5/2 (月)

雪山の富士山を滑る

数年前からやって将来みたいことリストに追加された目標でした。結果は山腹でドロップすることになり敗退。

装備一式

装備一式

厳冬期でないにしても雪が残る中だと危険もあり気軽に他人を誘うこともできなかったので単独で挑戦しました。富士山の登山指数が A となっているベストな日を選んでできる限り危険の少ない日で登るように心がける。準備は慎重にレイヤードと食料は多めに用意して万全のつもりでした。あとは他にも登山者がいると思うのでもしもの時に自力で連絡できなかったら誰かが連絡してくれるというだろうと他力本願。

アルペンスキーの板とスキー靴をザックにくくりつけると 20kg 近い重量になり、この重さを担いで山頂を目指せる体力は今の自分にはなかったです。あとは連休に入ってゴルフ、山梨で登山、ゴルフツアー観戦と 3 日連続で遊んでからの翌日だったというのも言い訳です。

鹿をはねて物損事故処理

割れたヘッドランプカバー

割れたヘッドランプカバー

前日の 22 時にレンタカーを借りて富士あざみライン終点の須走口まで移動。ここで車中泊をして日の出と共に出発するつもりで睡眠に入ったら、水を買ってないことに気づきました。最寄りのコンビニまで往復 30 分程度だったので麓に降りていったら、目の前に鹿が飛び出して来て車と激突。すぐに車を止めて見渡したけど鹿の姿はなく山の中に消えていきました。とりあえずコンビニまで行って車を見ると、ヘッドランプカバーが損傷。

レンタカーなので保険のために事故手続きが必須で、コンビニまで警察を呼んで諸々の手続きを行いました。

人が住んでいないところに住所はない

警察から「事故があった住所はどこですか?」と聞かれ、「富士山中の道路なので住所はありません」と答えると、「何かの住所はあるでしょ」「いやいや、住所というのは、人の住むところにしかないのですよ」「事故報告書に住所を書く欄があるから、何かしら書かないと」「じゃあ○○付近で」と落ち着きました。

説得が続く

地理問答が落ち着いたら「ドライブの目的は何ですか?」と聞かれたので正直に「登山です。」と答え、ついでに「登山届け預かってもらえますか。」と頼んだら、雪山の登山は止めるよう説得されることに。今年も遭難で救助されたり死者もでているので警察の立場としては登って欲しくないのは重々承知しているけど、こちらも前から準備してきた手前、中止にしたくはなかったです。

「この時期の雪はアイスバーンでアイゼンも刺さらないくらいカチカチだから。」

「一度滑落したら手足や首までなくなるよ。」

「今日鹿とぶつかったのは登山を止めるためのお告げですよ。」

といろいろな理由で説得されましたが「行けるところまで行って無理なら帰ります。」と言って登山届けを預かってもらいました。「次に会うとき悲しい対面にならないことを祈ります。」そう告げられて別れました。

起床

そして須走 5 合目で寝たのが午前 2 時。明らかに寝不足です。この時点で半分やる気をなくして起床したのが午前 5 時半、6 時に登山を開始。

5 合目から山頂を見上げる

5 合目から山頂を見上げる

登山道沿いにポストがあります。ここに登山届けを出しておけば良かった。

登山ポスト

登山ポスト

今シーズンは雪がないためか、6合半ぐらいからようやく雪が現れました。体力以上の荷物のせいで足が運ばず、時間だけが過ぎていきます。10 歩登って立ち止まる、の繰り返しでした。

山頂は近そうに見えて近くない

山頂は近そうに見えて近くない

山岳救助もしているという警察の方が言ってた「この時期の雪はアイスバーン」を見ることはなく、一面シャリシャリの雪でした。山頂に近づくと違ったのかもしれないですが、雪質自体に身の危険を感じることはなかったです。

アイゼンとシールの違いなのか、体力の違いなのか、6 合目で追い越した人は雪になってからあっという間に抜かされていきました。たぶん抜かされた人のペースなら山頂にたどり着けたことでしょう。

結局 3000m 超え、昼の 12 時を過ぎたところでギブアップ。天気が良かったので少しお昼寝。この高さになると風速は 10m/s を超えててキツかった。昼寝をした後は少し頭がぼーっとしてたけど、高山病の症状が出てたのでしょう。以前富士山を登頂したときも、山頂までなんともなかったのに山頂で昼寝をした後から頭痛がしてました。日帰り富士山では途中で寝てはいけないのでしょう。

滑落(バックパックが)

昼ご飯を食べて、登山靴からスキー靴に履き替えスキー靴を装着しようとしたら、強風にあおられて滑落。ザックが。なすすべもなく自然に止まるのを温かく見守るしかありませんでした。

滑落したザック

滑落したザック

幸いにもザックは 200m ぐらい下で止まったので、とりあえずそこを目標に滑り出します。シャリシャリの雪で広大なゲレンデは滑りやすかったです。2 時間かけて登った傾斜を滑るのにわずか 2 分でした。

そのままザックを回収して滑られる限界まで下り、再びアイゼンに履き替えて下山。トータルで 15 分ぐらいの滑走でした。

撤退

16 時には 5 合目まで下山して 20 時頃に東京着。

荷物を自宅荷下ろし、レンタカー店で免責代金を支払って終了。一応実家に無事に帰ったことを連絡します。

わたくし「山頂までは無理だったわ。鹿とぶつかって事故処理とかしてたら時間がなかった。」

親父「鹿はねたんなら持って帰ってジビエにすればええじゃろ。」

わたくし「俺もそう思ったけど、逃げていったわ。」

今回、鹿には申し訳なかったし高くついた割に何の成果も得られない結果でした。次回はスキーで滑ることにこだわらず装備も軽くなって山頂まで行けるんじゃないだろうか。シリセイダー(ヒップそり)で滑るとか。雪山富士山は再挑戦したいです。

  • この記事を書いた人

羽田 康祐

伊達と酔狂のGISエンジニア。GIS上級技術者、Esri認定インストラクター、CompTIA CTT+ Classroom Trainer、潜水士、PADIダイブマスター、四アマ。WordPress は 2.1 からのユーザーで歴だけは長い。 代表著書『"地図リテラシー入門―地図の正しい読み方・描き方がわかる』 GIS を使った自己紹介はこちら。ESRIジャパン(株)所属、元青山学院大学非常勤講師を兼務。日本地図学会第31期常任委員。発言は個人の見解です。

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