The GIS Professional Group

講師が講義中に分からないことを質問された場合の対処法

2016/2/2 (火)

この半年、若手の後輩君がとあるトレーニング コースの講師デビューをするべく奮闘しています。最近は本番を想定したリハーサルを行い、私を含めた何人かが生徒役になって伝える内容の確認と質問に対する回答が適切かどうかをチェックしています。

講師スキルの定石はいろんなサイトや書籍、セミナーなんかで紹介されてますが、今回はそういうことろでは紹介されない(だろう)スキルを 2 つ。これは、実習を含む講義で使える手法です。

今日のロールプレイでこんなやりとりがありました。

講師「こうやって、方位記号のエレメントをレイアウト ビューに配置することができます。」

わたくし「先生、地図を回転させたらその方位記号エレメントも回転するんですか?」

講師「する、、、と思います。。。」

わたくし「ストッープ!

 

受講生は、講師なら何でも知っている人と思っています。万が一知らない内容を質問された場合、「、だと思います。」のようなあやふやな回答は信頼度を下げるので絶対にやってはいけません。分からない場合は素直に「確認して後ほど回答します。」と対応するのがベターです。

講義の範囲はすべて網羅しておくのが理想ですが、知識の範囲を超えた質問が出てくるかもしれません。「確認して後ほど回答する」ばかりだとそれも信頼度を下げてしまうので、実は知らないことを、あたかも知っている体で回答できる方法があります。

質問の答えは分からないけど、すぐに確認できる場合

受講生「先生、地図を回転させたらその方位記号も回転するんですか?」

講師やばっ、分からんっ「はい、では ArcMap を起動して確認してみましょう。方位記号を配置して、[データ フレーム] ツールバーを表示して地図を回転させます。すると、方位記号も回転しますよね?そう、レイアウト ビューの方位記号は地図と連動します。」

方位記号も回転しますよー

受講生「分かりました。ありがとうございます。」やっぱ講師は何でも知ってるなー

講師ふぅ「ご質問いただき、ありがとうございました。」

方位記号の回転は割とやさしい例でしたが、質問の難易度によって「知っている体で答える」か、「私も今まで試したことがないので一緒に確認してみましょう。」と正直に言うか使い分けています。あと、知った体で答えておいて、この記事のようなネタばらしをすることもあります。一番大切なのは、講義の最後まで信頼できる講師だと受講生に感じてもらうことです。信頼感が崩れない範囲で多少のアレンジは良しとしています。

質問の答えは分からないしすぐに確認できないけど、ヘルプを見れば答えが分かる場合

開発 API の講義だと、すぐに動作確認ができないケースもあります。ヘルプを調べるしかない、という場合はこのような対応をします。

受講生「質問です。MapControl は LoadMxFile メソッドでドキュメントを読み込むとのことですが、ドキュメントに名前をつけて保存したり新規作成するメソッドはありますか?」

講師おおっつ「ご質問ありがとうございます。ちょうど良い機会ですので、その答えをヘルプで確認しましょう。せっかくなのでヘルプの使い方にも慣れていきましょう。ヘルプで、このページを表示してみてください。」あっそういうことか、、、「このページを見ると、Save とか New とかの名前がつくメンバーはないですよね?なのでコントロールにはそれらの機能は実装されていないことが分かります。」他のヘルプ ページもいくつか確認して「ちなみに、ご質問のことを実現するには、別の XXX クラスを使用します。」

 

分からないことが自己解決できる、というのが最高のスキルだと思っています。私の講義ではできる限り分からないことをどうやって調べて解決するかを伝えるようにしています。なので、ヘルプを使って一緒に調べるやり方はごまかしではなく、受講生に覚えて欲しいテクニックの一つなのです。

ただ、講師がまったく分からないことをその場でヘルプを見せながら調べるというのはかなり難易度の高いスキルです。質問を受けて、ヘルプから答えが導き出せるかどうかを瞬時に判断しなければいけません。見切りでやって答えが見つからないと大失敗になってしまいます。ヘルプから答えが導き出せない可能性がある場合は、素直に「確認して後ほど回答します。」と言った方が良いでしょう。

  • B!