交通事故や落とし物を拾った場所に住所は存在しない

      2016/11/19

先週末、山梨県の権現山へ登山に行って秋山を楽しんできました。財布をなくしたことに気づくまでは。楽しい登山を終えて帰りのバスに乗ろうとしたら財布が見つからない、、、警察に電話で届け出をしてクレジットカードの停止手続きをし、その日は終わりました。

週明けの今日、山梨県警から電話があって財布が見つかったとのこと。拾って届けてくれた方がいたとのことです。

財布に入れていた現金 13,000 円がそのまま戻ってくる日本の素晴らしさを誇りに感じました。

無くした場所の心当たりがいくつかあったので、「どこで見つかったんですか?」と聞いたら「住所は山梨県七歩町浅川159番地から東方5km」とのこと。それってどこよ?とマップで検索したけど、住所の位置(下図のピン)から直線で東に 5km の地点は明らかに歩いてないところで住所の地点は登山開始場所なので、バスを降りたところでなくした訳ではないようです。おそらく登山道の途中(たぶん山頂)なのだと思います。

ここで落とし物を拾った時に記載する「住所」にものすごく違和感を感じました。今年 5 月に富士あざみラインの途中で鹿と接触事故を起こしたときにも警察官から「事故を起こした住所はどこですか?」と聞かれたけど、

住所は人の住む所

に与えられるものなので、人の住んでない登山道や富士山のスカイラインなんかに住所は存在しません。なので、他人の家や自宅の駐車場で起こした事故でない限り、その事件や事故が発生した「住所」は書くことができないはずです。

住所と地番が混在されがちですが、

地番は土地の番号

です。住居表示が実施されていないところは地番が住所に使われることもあって、住所=地番と混在されがちですが、住所と地番は別ものです。たいてい落とし物や交通事故は道路上で起きていると思うのですが、

道路上に人は住んでいないので住所は存在しない

のです。

今回の落とし物を拾った住所として記録されていた「山梨県七歩町浅川159番地東方 5km」は残念ながら「住所」ではないです。拾った「場所」でしょう。地番を書けと言われれば何らか示すことができると考えられますが、人の住んでいない田舎ほど地番が示す範囲も大きくなるし、「無番地」も存在するので場所の特定も困難になります。

なので、もしこの記事を読んだあなたが警察関係の方や、GIS で営業されてる方だったら、これらの事件や事故が発生した地点を正確に表す方法として「住所」ではなく「場所」を記載するようにして、

  • 緯度経度
  • MGRS コード(※地理院地図では「UTM ポイント」と書かれている)

などの参照系で位置を示してもよいルールと仕組みを提案していただきたいです。緯度経度はスマホで地図アプリを使えばすぐに分かるし、地理院地図を使えば MGRS コードだってすぐに調べられます。「事件・事故地点の特定・登録システム」みたいなのがあれば場所の特定は容易になるし、愛知県警東京都が公開している防犯系システムに登録するデータの作成も容易になることでしょう。

いくらデジタル化しても概念が元々台帳と称する紙の文化なので、根本から考え方を変える勇気をもって便利な日本に変えて欲しいですね。

2016年11月18日追記

財布が手元に戻ってきて、拾い主の方にお礼の電話をして伺ったら、権現山までの山腹にあったとのこと。たぶん最初の休憩で熱くてジャケットを脱いだところなんだと思います。本当に助かりました。ありがとうございました。

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