縮尺と精度

      2016/03/01

学生時代、大学の授業で「GISになるとデータに縮尺の概念はない。精度が重要である。」と一番に教えられました。

当時は呪文のように GIS データは「縮尺」ではなく「精度」と覚えてきましたが、ここにきて「精度」とは何かを説明しなさいと言われるとあいまいな回答しかできなかったので、あらためて調べてみました。

縮尺 = 地物を模した地図の1辺の長さの、実施の1辺の長さとの比
Wikipedia より

紙地図やディスプレイ上に表示された地図が現実世界の何分の1で示されているかを表したものとなります。GIS で扱うデータ自体を「縮尺:1/xxxx」と表現することはできません。

精度 = 取得したデータの位置正確度

多くの規定では、1/2500の場合「位置正確度の誤差が1.75m(標準偏差)以内」と示されています。標準偏差はすっかり忘れてましたが手伝いもあって下のように理解しました。

標準偏差が1.75mとは、すべてのデータの誤差が1.75m以内という訳ではなく、誤差のばらつきの平均が1.75mということになります。1000点あるうちの999点は誤差0で、残る1点が誤差5mだと標準偏差は0.16ですし、500点が誤差0で、残る500点が誤差3.5でも標準偏差は1.75となり、いずれの場合も1/2500精度の要件を満たしているといえます。

衛星画像や航空写真から作成できるデータの精度について

社内で衛星画像に詳しい方に確認したら、衛星画像は「取得したい地物の種類や衛星に搭載されているセンサー種別や撮影環境によるので一概に答えられない」となるそうです。仮に、衛星画像の分解能が 1m であるならば、上下左右 1 ピクセルの誤差が生ずるとして 3m の精度のピクセルが取得できます。この 3m の精度を完全に満足させられるデータが取得できる(大気の揺らぎやセンサーの撮影角による歪みがない)とするならば、3m 精度でおおむね 1:5,000 縮尺の地図が作製できます。しかし実際のデータは諸々の劣化によってスペック通りの解像度が得られないそうです。

前述したように衛星画像の場合はセンサーの特性・品質・大気の揺らぎなどがあるためスペック上の解像度の数倍は劣化するそうです。また、分解能によって判読できる地物の種類も異なるので、画像から図化する地物によって作成できる地図の縮尺も異なります。

飛行機からの撮影(空中写真測量)であれば精度あたりの縮尺が得られ、1m 解像度であればおおむね 1:1,500 縮尺のデータ作成ができるとのことです。

参考

 - GIS