ArcObjectsによる測地成果2000対応地理座標変換

      2013/03/05

これまで,日本測地系(東京測地系)のデータセットを日本測地系2000(世界測地系)に変換するには,ArcTKY2JGDを使用する必要がありました。このツールは,ArcCatalogのコマンド ボタンから起動するツールで,既存のフィーチャクラス(シェープファイルやジオデータベース)から測地基準系を変換した新しいフィーチャクラスを作成するというものです。

ArcGIS 9.3では,ArcGISの地理座標系変換アルゴリズム(NTv2)を用いてTKY2JGDに対応した変換が可能となりました。これによって,フィーチャクラス以外にもラスタ データセットの変換ができたり,ジオプロセシングツールでの使用,ArcMapでのリアルタイム変換,ArcObjectsで利用が可能となります。 GUIでの利用方法は説明資料を参照してもらうこととし,ここでは,ArcObjectsでの操作方法を説明します。

ArcObjectsで地理座標系変換を行うには,IGeoTransformationを実装したNTv2Transformationオブジェクトを作成する必要がありますが,バージョン9.3ではISpatialReferenceFactory::CreateGeoTransformation()ための定数が用意されいません。そのため,TKY2JGD変換を行うには,NTv2Transformationオブジェクトを新規に作成する必要があります。

'NTv2Transformation(TKY2JGD)の作成
Public Function CreateTKY2JGD_NTv2Transformation() As IGeoTransformation
Dim pGridTransformation As IGridTransformation
Set pGridTransformation = New NTv2Transformation

pGridTransformation.Name = "Tokyo_To_JGD2000_TKY2JGD"
pGridTransformation.GridDatasetName = "Dataset_japan/tky2jgd.gsb"
pGridTransformation.Load

Set CreateTKY2JGD_NTv2Transformation = pGridTransformation

End Function

TKY2JGDの地域毎パラメータ ファイルは,<ArcGISインストール フォルダ>\pedata\ntv2\japan\tky2jgd.gsbに保存されています。バージョン9.3では,この地域毎パラメータ ファイルにアクセスするためにGTFファイル(Tokyo_To_JGD_2000_NTv2.gtf)を使用して対処してます。

GTFファイルはArcToolboxの「カスタム地理座標系変換の作成 (Create Custom Geographic Transformation)」ツールで作成できるファイルで,GUIの”変換方法”に表示させるためには,<OSドライブ>\Documents and Settings\<ユーザ名>\Application Data\ESRI\ArcToolbox\CustomTransformations(Windows XP,2003 Serverの場合)に保存しておきます。 なお,NTv2TransformationとArcTKY2JGDのどちらで処理を行えば良いのかということですが,国土地理院のTKY2JGDでは,地域毎パラメータが4点取得できた際に座標変換を行い,4点未満の際は3パラメータ変換(楕円体の変換のみ)を行います。NTv2Transformationでは,2点未満になるまで地域毎パラメータで補正しようとします。厳密に国土地理院と同様の変換結果を得るためにはArcTKY2JGDを使用する必要があるでしょうが,内陸部はすべて地域毎パラメータが整備されているので実質問題ないと思います。

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